注文住宅を建てるとき、ネット環境はわりと地味です。
キッチンや床と違って、完成見学で「このLANケーブル素敵ですね」と褒められることもほぼありません。
でも壁の中に入った配線は、後から変えようとすると面倒です。
そこで我が家は、家づくり中に10ギガ回線を使う前提へ切り替え、壁内LANをCat6Aにしました。
入居後は実際に10ギガ回線と光テレビを利用しています。
ここだけ聞くと未来対応ばっちりに見えます。
ところが完成してみると、情報分電盤の中はONU、ルーター、ハブ、光テレビ関連機器などでパンパン。
しかも仕様表上の内蔵ハブは1G対応です。
10ギガ回線を契約したからといって、家の中が自動的に全部10ギガになるわけではありませんでした。
この記事では、規格の教科書ではなく、我が家が何を考えて、何を入れて、住んでから何に気づいたかをまとめます。
この記事でわかること
- 10ギガ回線とCat6Aを選んだ理由
- 情報分電盤とONU・HGWの実際の収まり
- 3階建てのWi-Fiと入居後に分かった改善点

目次
なぜ10ギガまで考えたのか
家を建てる前から、ネット環境は後回しにしたくないと思っていました。
我が家は3階建てです。
Wi-Fiだけで全階を安定してカバーできるかは、家が完成してからでないと読み切れません。
さらにテレビは光テレビを使う予定でした。
ネット回線だけでなく、ONU、ルーター、ハブ、テレビ関連機器まで増える可能性があります。
設計の途中でインターネット計画を10Gタイプへ変更し、壁内配線も将来を見て見直しました。
結果として、入居後は10ギガ回線を導入しています。
ただしこの記事で「注文住宅なら10Gが必須」と言いたいわけではありません。
我が家はネットをよく使い、せっかく新築するなら壁内だけは後悔しにくい仕様にしたかった、という判断です。
当初のLANはCat5eだった
最初の本体仕様では、壁内LANはCat5e、1G系の構成でした。
そこで提案工事としてLANケーブルだけCat6Aへ変更しました。
我が家の当時の見積では、この変更差額は0円でした。
ここはかなりありがたかった部分です。
ただし「住友林業ならCat6A変更は無料」という一般論ではありません。
あくまで我が家の当時の見積で差額0円だった、という実例です。
僕がCat6Aへ変えた一番の理由は、壁の中だからです。
ルーターやハブは壊れたら交換できます。
LANケーブルも露出配線なら替えられます。
でも壁内配線は、完成後に「やっぱり全部引き直したい」となると急に面倒になります。
後から交換しやすいものは後で考える。
後から交換しにくいものは建築中に少し先を見る。
ネット環境では、この考え方が一番しっくりきました。
Cat6Aにしたから全部10Gではない
ここは家づくり中の僕も少し雑に考えていました。
壁内LANがCat6Aなら、10G回線を入れれば家中10Gになるような気分になります。
実際には経路の途中にある機器も対応している必要があります。
我が家の仕様表を見ると、情報分電盤に組み込まれたハブは1G対応8ポートです。
つまり壁内LANケーブルはCat6Aでも、内蔵ハブをそのまま経由すればそこは1Gです。
設計時には、10G対応ハブをハウスメーカー経由で用意すると高くなる可能性があると聞き、後から自分で交換する考えも持っていました。
これは「壁内配線」と「交換可能な機器」を分けて考えた例です。
家のネット環境は、一番速い部品で決まるのではなく、経路全体で考える必要がありました。
情報分電盤は2階パントリー上部

情報分電盤は、2階キッチン背面側のパントリー上部にあります。
家の真ん中に近い2階へ情報を集め、そこから各階へ配線する形です。
設計時には大きな問題を感じていませんでした。
箱があって、LANが集まって、そこに必要な機器が入る。
かなり単純に考えていました。
入居後、その箱の中に現実が集合します。
ONU。
ルーター。
スイッチングハブ。

光テレビ関連機器。
配線。
電源。
10G回線と光テレビを併用したことで機器数が増え、情報分電盤はかなりパンパンになりました。
一部の機器は外へ出しています。
家を建てる前の僕は「情報分電盤の大きさ」をネット環境の重要スペックだと思っていませんでした。
今ならLANカテゴリーと同じくらい気にします。
情報分電盤の反省点は「箱のサイズ」だけではない
単純に大きい箱を付ければ全部解決、という話でもありません。
何台の機器が入るのか。
ACアダプターはどれくらい大きいのか。
コンセントはいくつ必要か。
配線を曲げる余裕があるか。
将来機器が増えたときに逃がせる場所があるか。
こういうところまで考える必要があります。
特にネット機器は、本体よりACアダプターが場所を取ることがあります。
「四角い箱の中に四角い機械を入れるだけ」と思っていたのですが、配線は思ったより自由奔放でした。
情報分電盤を写真で見せる場合は、セキュリティ情報を隠したうえで、機器がどう収まっているかだけ分かるようにします。
3階建てはメッシュWi-Fiでカバー
Wi-Fiはメッシュ構成にしています。
2階の情報分電盤付近にメインルーター。
1階と3階に子機を置き、3フロアをカバーしています。
3階建てなので、1台のルーターを家の端に置いて全階へ祈りを飛ばす構成にはしませんでした。
有線LANとWi-Fiはどちらか一方ではなく、役割を分けています。

固定して高速・安定を求めたい機器は有線を使いやすくする。
スマホやタブレットなど家の中を動くものはメッシュWi-Fiでカバーする。
この形は今のところ我が家に合っています。
ただし、Wi-Fiの届き方は家の形や壁、機器によって変わるので「3階建てならこの配置で正解」と一般化はしません。
光テレビで機器が増えることも忘れていた

我が家は光テレビを導入しています。
ネットだけならONUとルーターを中心に考えればよかったところへ、テレビ関連の機器や分配も加わります。
仕様表にはTV分配器や情報コンセントなども組み込まれています。
家づくり中に「テレビはアンテナにするか、光にするか」を考えるとき、月額や外観だけでなく、家の中に何が増えるかまで見ておくと情報分電盤の計画がしやすかったと思います。
機器は突然空間を占拠するわけではありません。
ちゃんと契約した結果、順番にやってきます。
でも箱側の計画が昔のままだと、最終的に箱が負けます。
住んでわかった「やってよかった」と「足りなかった」
やってよかったのは、壁内LANをCat6Aにしたことです。
差額0円だったことも大きいですが、完成後にケーブル規格を気にして壁を開ける必要がないだけで気が楽です。
10Gへ変更する方針を設計段階で決めたこともよかったと思っています。
一方、足りなかったのは情報分電盤の余裕です。
盤の中に入る「機器の数」までは想像しても、配線、ACアダプター、光テレビまで含めた実占有量はうまく読めませんでした。
ネット環境の後悔は、LANケーブルのカテゴリーより箱の中にいました。
今ならどう計画するか
今もう一度建てるなら、まず壁内配線と交換可能な機器を分けて考えます。
壁内配線は将来を見て、必要ならCat6Aなどを検討する。
一方、ハブやルーターは後から交換できる前提にする。
そして情報分電盤は「今入るか」ではなく「ONU、ルーター、ハブ、テレビ関連機器、ACアダプターを置いて、さらに余白が残るか」で判断します。
盤のすぐ外にも機器を置ける棚や電源があると、将来の逃げ道になります。
Wi-Fiも、ルーター1台で完璧に届く前提ではなく、家の形によってメッシュや有線バックホールなどの選択肢を持っておくと思います。
ただし、最初から最高スペックの機器を全部ハウスメーカー経由で入れる必要があるとも思っていません。
後交換しにくいものに予算を使い、後交換できるものは必要になってから変える。
我が家なら今もこの考え方です。
これから注文住宅のネットを考える人へ
ネット環境は、設備ショールームではあまりテンションが上がらないかもしれません。
でも暮らし始めると毎日使います。
家づくり中に最低限確認したいのは、回線速度だけではありません。
壁内LANは何か。
LANポートはどこに何口あるか。
情報分電盤はどこか。
内蔵ハブは何G対応か。
盤の中に何台の機器を入れる想定か。
テレビ方式で機器は増えるか。
Wi-Fiを家のどこから飛ばすか。
このあたりを一枚の図にしてみると、かなり分かりやすくなります。
我が家は10GとCat6Aまで先回りしました。
でも一番の反省は、最先端の規格ではなく収納でした。
未来を見た結果、ONUの置き場に困る。
注文住宅は時々こういうオチを用意してきます。
まとめ
我が家は設計段階で10Gタイプへ変更し、壁内LANをCat5eからCat6Aへ変更しました。
入居後は10ギガ回線と光テレビを利用し、3階建てをメッシュWi-Fiでカバーしています。
Cat6Aへの変更はやってよかったと思っています。
一方、情報分電盤は機器でかなり混雑し、一部を外へ出すことになりました。
さらに仕様表上の内蔵ハブは1G対応です。
この経験から、ネット計画で大事なのは「10Gにするか」だけではないと感じています。
壁内配線、交換できる機器、情報分電盤、電源、Wi-Fi、テレビ。
全部を一つのシステムとして見る。
それが、我が家を建てた後にいちばん伝えたいことです。
