図面の中にしかなかった家が、地面の穴になって、基礎になって、柱が立って、気づけば本当に住める家になりました。
この記事では、住友林業から実際にもらった工程表と、建築中に撮っていたうちの写真を使って、家ができるまでを順番に追っていきます。
工法の細かい解説をする記事ではありません。僕が現場で何を見て、何に驚いて、どこで「家になってきたな」と感じたのか。その記録です。
まず家が建つまでを一気に見る
住友林業からもらった新築工事工程表では、うちは地鎮祭から地盤改良、基礎、屋根・外壁、木工事、内装、竣工を経て、1月25日ごろに引き渡す予定になっていました。
ただし、これはあくまで当時もらった「予定表」です。実績日ではありません。
うちが当時もらった予定工程
- 地鎮祭
- 地盤改良工事
- 基礎工事
- 屋根工事
- 外壁工事
- 木工事完了
- 内装工事
- 内部仕上工事
- 竣工
- 引き渡し予定
※住友林業から当時もらった、うちの新築工事工程表をもとに再構成した予定です。実績日とは別です。
工程表には、構造立会い、木完立会い、竣工立会いのほか、社内検査や性能関係の検査も組み込まれていました。
契約書類上の着工日と、実際に現場で基礎工事などが始まる時期も同じ意味ではありません。僕もすべての実施日を記録していたわけではないので、この記事では予定日を勝手に実績日に変換しません。実際の引き渡しは2025年1月末、引っ越し・入居は2025年2月でした。
解体:祖母の家がなくなる
新しい家が建つ前に、まず祖母の家を解体しました。
長く見てきた家なので、壊されるところを見たらかなり寂しくなるんだろうなと思っていました。
実際、なくなっていくのを見ると寂しい。
でもその前に残置物の処分がありまして、これがなかなかの地獄でした。
片づけても片づけても物が出てくる。残置物処理が終わるころには、かなり疲れていました。
なので解体が始まったときの気持ちは、寂しい半分、「やっとか」半分。
きれいな思い出だけでは終わらない。ハーフ&ハーフです。

地鎮祭:思い出はいつの日も雨
地鎮祭の日は、土砂降りでした。
僕は小学校、中学校、高校の修学旅行、大学のサークル旅行まで、わりと雨に当たってきた人生です。
思い出はいつの日も雨。
家づくりでも通常運転でした。
うちでは地鎮祭を行い、初穂料は5万円くらい用意しました。これはあくまでうちの場合の金額なので、同じように行うなら金額は事前に確認した方がいいと思います。
そして地鎮祭の前後で体験したのが、いわゆる地縄マジック。
地面に家の形が示されると、最初の感想はだいたいこれでした。
「え、家の面積これだけ?」
図面では普通に見えていた家が、地面の線だけになると急にミニチュアに見える。不思議です。
あと、噂に聞いていた鍬入れもやりました。
「えいっ、えいっ」
本当に言うんだ、と思いながら笑っていた記憶があります。

地盤改良:地中埋設物の登場
地鎮祭が終わると、次は地盤改良です。
うちはRES-P工法で地盤改良を行いました。
もともと僕は、地盤改良が必要になっても150万円くらいまでかな、と勝手に考えていました。
ところが実際の見積は300万円台。
想定していた上限の倍以上でした。
そんな地盤改良の途中で、生産担当さんから電話が来ました。
地中からコンクリートの塊が出てきたとのこと。
地中埋設物の登場である。
ネットでは見たことがありましたが、まさか自分の土地でも出るとは思っていませんでした。
担当さんからは対応を試してみるという話があり、結果として、うちではこの件で追加費用はかかりませんでした。
「もともと地盤改良を高めに見積もっていたからでは……?」
というのは完全に僕の邪推です。事実ではありません。
とにかく、電話が来た瞬間は「これ、またお金かかるやつでは?」と身構えたので、追加なしで終わったときはかなりホッとしました。

基礎工事:いよいよ始まる、でも施主は意外と暇
工程表では、基礎工事は6月24日ごろからの予定でした。
地面が掘られ、鉄筋が組まれていくと、ようやく「家が始まった」感じが出てきます。
ただ、このあたりから施主が現場でできることはそんなにありません。
僕は見に行っては、「進んでるなあ」と眺める係になりました。
そして暇になると何をするか。
SNSを見る。
これが危ない。
「これも付けたかった」「あれもやりたかった」という施工事例が無限に流れてきます。もう今さら間に合うのか分からないものまで欲しくなる。
もう決めた後に見るものではないな、と思いました。

骨組みが立つ:ビッグフレームがドーン
基礎の次は、いよいよ建物の骨組みです。
住友林業のBF構法で使われる大きな柱が、現場にドーンと立ち始めました。
この工程はかなり見応えがありました。
平面図で見ていた家が、一気に高さを持ち始めるからです。
しかも四角い大きな柱が何本も並ぶ。
僕にはなんとなく、エヴァンゲリオンのゼーレっぽく見えました。
たぶん建築現場を見て最初に出てくる感想ではない。
この時期は毎日見た目が変わっていくのが面白かったです。


木工事:毎日変わる家を見る
骨組みができると、窓が入り、配線が通り、壁の中が少しずつ埋まっていきます。
このころは現場をほぼ毎日のように見に行っていました。
昨日まで何もなかったところに壁ができていたり、配線が増えていたり、収納の形が見えてきたりする。
完成後は壁の中に隠れてしまう部分まで見られるので、単純に面白いんですよね。

現場へ行くたびに、職人さん向けの差し入れも持っていっていました。
毎回持っていく必要があったのかは分かりません。
ありがた迷惑だった説は濃厚です。
一応、個包装で日持ちするものを選んでいました。いらなければ誰かに渡したり後で食べたりできるかな、くらいの考えです。
もちろん、これは「差し入れをした方がいい」という話ではなく、僕が勝手にやっていた話です。
壁が閉じる前に見えた断熱材
断熱材が入った状態も写真に残っています。
住み始めてしまえば、壁の中を見る機会なんてまずありません。
少なくともうちでは、建築中のこの時期だから見られた景色でした。

木完立会い:細部を確認する
木工事がかなり進み、内装仕上げに入る前の段階で木完立会いがありました。
ただ、僕はそれまでほぼ毎日のように現場へ来ていたので、感動の新鮮さはそこまでありませんでした。
これは内緒です。
むしろ大事だったのは細かい確認でした。
実際、指定していた向きと違う棚があり、そこで気づいたことがあります。
僕は全体を見て満足しがちだったので、棚の向き、コンセント、建具など、図面や打ち合わせで決めた細かいところこそ意識して確認した方がいいと思いました。

内装:パースが現実になる
クロスや床、キッチン、建具が入り始めると、突然ものすごい勢いで「家」になります。
いや、元々家なんですけど。
この段階は「あれがこうなるのかあ」の連続でした。
打ち合わせで何度も見ていたパースが、現実の空間になっていく感じです。
注文住宅を建てる楽しさって、こういうところにもあるのかもしれません。

床も少しずつ仕上がっていきました。
2階LDKはオークの無垢床です。完成後は当たり前に毎日歩いていますが、施工中の写真を見ると、床ができていく途中の状態まで残っています。

竣工立会い:準備しないとルームツアーで終わる
家が完成すると、竣工立会いです。
ネットで「施主検査はしっかり準備した方がいい」という話を見たことはありました。
ただ、うちでは細かいチェックリストのようなものを渡されたわけではありませんでした。
そして僕も、そこまで準備していませんでした。
結果どうなるか。
「わー、すごーい」
「キレー」
ほぼルームツアーです。
え? 僕のことですが?

住み始めてから気づいたこともあります。
たとえばテレビボード裏のコンセント。図面通りの位置には付いていましたが、実際に採用したテレビボードの配線穴と合わせるなら、もう少し位置をずらした方が使いやすかった。
これは施工ミスではありません。図面通りです。
でも、家具まで決まっていたなら、完成時にもう一度位置関係を見ておけばよかったなとは思います。
別のコンセントについては、足りないことを伝えたあと追加対応してもらった箇所もありました。
なので僕なら今、竣工立会いの前に「家具との位置関係」「コンセント」「棚・建具」を自分用のチェック項目にして持っていきます。
ただし、完成段階でどこまで変更できるかは内容によるはずなので、「後から何でも直せる」という意味ではありません。
引き渡し:無味無臭でもワクワクする
そして引き渡し。
注文住宅のSNSを見ていた僕は、勝手にイメージしていました。
巨大な鍵のボード。
テープカット。
記念写真。
なんかこう、家づくり最終回みたいなイベントが始まるものだと。
うちにはありませんでした。
生産担当さんから普通に鍵を受け取り、説明を受ける。
営業さんは異動していて来られず、設計士さんとICさんもそれぞれ別に来て、別に帰っていきました。
無味無臭な引き渡し。
もしかすると、僕がSNSの中の世界を見すぎていただけなのかもしれません。

ただ、イベント感が薄かったからといって、うれしくなかったわけではありません。
「ようやくここに住める」という感覚はかなりありました。
普通にワクワクしていました。
ワクワクさんです。
建築中を振り返って思うこと
今振り返ると、建築中に一番面白かったのは、家が少しずつ「自分たちが打ち合わせで決めた家」になっていくことでした。
地面しかなかった場所に基礎ができる。
柱が立つ。
壁ができる。
キッチンが入る。
床が見える。
最後に家具が入る。
完成写真だけを見ると一瞬ですが、その間にはかなり長い過程があります。
僕は現場へほぼ毎日のように行って写真を撮っていました。そのときはただの工事写真でも、今こうして順番に並べると、家が少しずつ出来上がっていったのがよく分かります。

一方で、あれだけ現場へ行っていた僕でも、木完では棚の向き違いがあり、竣工立会いでは家具とコンセントの位置関係まで詰めきれませんでした。
たくさん見に行くことと、細かく確認できることは別物でした。
そして完成後は、その家で普通に暮らしています。
施工中に「この家どうなるんだろう」と見ていた場所で、今はご飯を食べたり、掃除機を掃除したりしています。
家づくりの次は、実際に3階建ての二世帯住宅で暮らしてどうだったのか。
