うちは住友林業で3階建ての二世帯住宅を建て、僕と妻と母の3人で暮らしています。
大きな構成は、1階が母の生活スペース、2階が家族の共用LDKと浴室、3階が僕ら夫婦の個室を中心としたフロアです。
浴室は2階の1か所を家族で共用。玄関は、家族が使う共用メイン玄関とは別に母側玄関もあります。
キッチン、洗面、トイレ、洗濯機は世帯ごとに用意しています。
なので完全分離型ではありません。
しかも建ってから仕様書を見たら、世帯タイプは「単世帯」でした。
二世帯で建てたはずなのに、書類上は単世帯。
でも暮らしは明らかに夫婦+母です。
そして実際に住んでみると、計画時に想像した「ほどよく分かれた二世帯」より、かなり普通の同居に近くなりました。
僕はこれを「二世帯住宅というより、もはや実家」と表現しています。
この記事では、この家がどう決まったかではなく、住んでから分かったことだけをまとめます。
この記事でわかること
- 1階・2階・3階に役割を分けた実際の暮らし
- 宅配・買い物・ゴミ出し・大型家電搬入の現実
- 二世帯とプライバシー、2階LDKへの条件付き評価

目次
まず、我が家の暮らし方
1階は母が中心に使うフロアです。
10畳以上の個室、LD相当の部屋、約2.7畳のWIC、ミニキッチン、トイレ、洗面、洗濯機、冷蔵庫があります。
浴室以外は、1階だけでもかなり生活が完結するように考えました。
2階は家の中心です。
約25畳のLDK、メインキッチン、浴室、洗面、トイレがあります。
3階は僕と妻の個室、将来の子ども部屋として考えている部屋、トイレなど。
僕と妻は寝室も別なので、3階へ上がればそれぞれ一人になれる場所があります。
図面上では、かなりきれいに「母」「共用」「夫婦」に分かれています。
生活は図面ほど線を守りません。
母は2階LDKも日常的に使いますし、1階のミニキッチンはほぼ使われていません。
冷蔵庫も実生活ではかなり共用に近い状態です。
設備を分けても、人間まで自動で分離されるわけではありませんでした。母側玄関は減額のため電子錠を外しましたが、実際の利用頻度も低く、この判断は暮らしに合っていました。
2階LDKが二世帯の「間」にあるのはかなりよかった

2階LDKの一番大きなメリットは、眺望でも日当たりでもありませんでした。
我が家の場合は、1階の母と3階の僕ら夫婦の間に、共用スペースが挟まったことです。
1階から直接3階の夫婦エリアへつながるより、2階LDKが生活上のワンクッションになっています。
母が2階へ上がれば、そこは家族で使う場所。
僕らが1階へ下りれば、母の生活エリアに近づく。
階そのものが、かなり自然な仕切りになりました。

二世帯住宅で2階LDKにしてよかった理由を一つ選ぶなら、僕はこれです。
よく言われる「2階リビングなら外からの視線が気になりにくい」というメリットは、我が家ではそこまで大きくありません。
家の前には車道や建物があり、窓もすりガラス中心です。
2階だから眺望最高、カーテンなし生活、という家ではありません。
我が家に効いたのは景色より、家族のゾーニングでした。
でも上下移動は毎日ついてくる

2階LDKのデメリットは分かりやすいです。
玄関は1階。
生活の中心は2階。
つまり、外へ出る用事にはだいたい階段が付きます。
宅配便が来たら1階へ下りる。
買い物から帰ったら荷物を持って2階へ上がる。

ゴミを出すときは2階から1階へ下ろす。
一つ一つは大したことではありません。
でも「ちょっと外とつながる」たびに上下移動が入ります。
1階LDKならドアを開ければ終わる用事に、階段が1工程追加されます。
暮らしてみると、この1工程がじわじわ存在感を出します。
宅配|ピンポンは1階から来る
宅配便はかなり分かりやすいです。
2階LDKでくつろいでいるときにインターホンが鳴る。
受け取るには1階へ降ります。
もちろん致命的な不便ではありません。
ただ、「玄関と生活の中心が別の階なんだな」と最も頻繁に思い出させてくれるイベントです。
宅配ボックスなどで回避できる場面もありますが、対面受取が必要なら階段は消えません。
2階リビングのデメリットを聞かれたら、僕はかなり早い段階で宅配を挙げます。
買い物|重い荷物は2階までセット
買い物帰りも同じです。
冷蔵庫とキッチンは2階なので、食料品は基本的に2階まで運びます。
軽い袋なら問題ありません。
飲料やまとめ買いで重くなると、玄関に着いた時点でゴールではないことを思い出します。
「あと1階分あります。」
家に言われている気分です。
3階建てだから上下移動が多いというより、毎日使うLDKを2階に置いたことで、外との往復に階段が必ず挟まるのがポイントだと思います。
ゴミ出し|面倒だけど、僕には許容範囲
ゴミも2階LDK側に集約することが多いので、ゴミ出しの日は袋を1階へ持って降ります。
家からゴミ集積所までは30秒くらいです。
外へ出てからは近い。
でもまず2階から玄関へ下りる必要があります。
これは少し面倒です。
ただ、僕にとっては「2階LDKを後悔するほど」ではありません。
毎日すべてのデメリットを大問題にすると、注文住宅の記事はだいたい地獄になります。
実際の感覚としては、「確かに面倒。でも許容範囲」です。
大型家電の搬入は、日常ではないぶん破壊力が大きい
日々の上下移動より、一度起きると強烈なのが大型家電の搬入です。
我が家では冷蔵庫を階段から2階へ搬入できませんでした。
一度持ち帰りになり、後日クレーン搬入。
追加費用は約2万円でした。
しかもクレーン搬入まで、2階キッチン用の冷蔵庫がない期間が発生しました。
入居直後に冷蔵庫がない。
新居のキッチンはあるのに、食材の本拠地がない。

これはかなり記憶に残っています。
搬出のときも2階LDKの大変さを実感しました。
2階LDKを考えるなら、階段幅や曲がりだけでなく、大型家電をどこから入れて、将来どう出すかまで考えた方がいいです。
「入るはず」ではなく、冷蔵庫の実寸で確認する。
これは次に建てるなら早い段階でやります。
空調|吹抜けは冷房の風も上下につなぐ
我が家は1階から2階へスケルトン階段があり、吹抜け的につながっています。
見た目は気に入っています。
ただ、空気も階段を見ます。
夏に2階LDKを冷房すると、冷たい風が1階玄関側へ落ちていくのを感じます。
2階だけを冷やしているつもりでも、上下階が完全に独立しているわけではありません。

これは全館空調の話ではなく、我が家の個別エアコンと吹抜け構成で感じていることです。
スケルトン階段は視線も音も空気も通します。
開放感を作った部分が、そのまま階の境界を薄くする部分にもなりました。
二世帯だけど、暮らしはかなり同居寄りになった

計画時は、母が1階だけでもかなり生活できるように設備を用意しました。
1階にはミニキッチン、冷蔵庫、洗濯機、トイレ、洗面があります。
でも実際には、母も2階LDKを日常的に使うようになりました。
1階の2口IHミニキッチンは、ほぼ使っていません。
設備としては分けた。
生活としては、思ったより分かれなかった。
この差はかなり面白いです。
二世帯住宅は、設備を2つずつ用意すれば生活が2つに割れるものではありませんでした。

我が家の場合、最終的には「必要なら分かれられるけど、普段はかなり一緒」という暮らしになっています。
そして、その結果として大きいのが家事支援です。
母が掃除や食事を助けてくれる場面があり、共働き夫婦としてはかなり助かっています。
これは二世帯で暮らす大きなメリットです。
ただし、メリットには裏面があります。
夫婦だけのプライベート感は薄くなりました。
プライバシーは「部屋がある」だけでは決まらない
僕と妻にはそれぞれ個室があります。
3階へ上がれば、一人の時間も取れます。
なので「二世帯だから自分の場所がない」という状態ではありません。
一方、家全体としては母との生活がかなり近いです。
1階のテレビ音は2階へ少し、2階の笑い声やテレビ音は3階へ届きます。特に妻の個室では2階テレビの音が聞こえやすい一方、3階の個室同士ではテレビ音はほぼ気になりません。いちばん不足を感じるのは、3階の声が2階へ届く音のプライバシーです。
2階から3階の階段は、母が求めた開放感と、夫婦側のプライバシー・遮音を両立させるため木製ハーフオープンにしました。それでも、玄関を閉めれば別の家になる完全分離二世帯ほどの距離感ではありません。
家事を助けてもらえる距離と、夫婦の生活が見えにくい距離は、同時には最大化できませんでした。

我が家は前者のメリットをかなり受けています。
その代わり、プライベート感は薄い。
ここは失敗というより、暮らし方のトレードオフです。
「二世帯住宅はもはやただの実家」という僕の感想は、嫌だという意味ではありません。
設計時に思っていたより、普通に家族として暮らしているという意味です。
3階建ては階ごとに役割を分けやすい
ここまで上下移動の話ばかりすると、3階建てが罰ゲームに見えてきます。
でも我が家にとって、3階あること自体はかなり役立っています。
1階は母。
2階は家族。
3階は夫婦。
横に広い土地で完全に分けるのではなく、縦方向で生活の濃度を変えられました。
二世帯で同じ建物に住みつつ、それぞれの場所を作るには、この階構成はかなり分かりやすいです。
朝は3階の自室から2階LDKへ降り、朝食やコーヒーの準備をして出勤する。
夜は2階で過ごして、眠るときは3階へ戻る。
日々の生活そのものが階をまたぎます。
階段が面倒な場面もありますが、「階が変わると役割も変わる」という感覚は、暮らしの区切りとして機能しています。
今もう一度建てるなら、2階LDKにするか
これはかなり答えがはっきりしています。
二世帯住宅としてまた建てるなら、今とかなり近い構成を選びます。
1階を母、2階を共用、3階を僕ら夫婦という分け方は、我が家の家族構成に合っていました。
2階LDKが間にある効果は大きいです。
でも、単世帯で同じ場所に建てるなら、僕は1階LDKを選びます。
宅配、買い物、ゴミ出し、大型家電搬入。
日常的に外とつながるLDKをわざわざ2階へ上げるメリットが、単世帯の僕にはそこまで大きくないからです。
つまり僕にとって、2階LDKが良かったか悪かったかの答えは「家族構成による」です。
2階LDKそのものをおすすめしたいわけでも、やめた方がいいと言いたいわけでもありません。
我が家には理由があった。
その理由があるうちは、デメリット込みでも採用する。
理由がなくなれば、選ばない。
それが今の評価です。
どんな人には向いていると思うか
我が家の経験だけで言えば、2階LDKや3階建ての縦ゾーニングは、同じ家の中で生活エリアをゆるく分けたい家庭には相性がいいと思います。
たとえば我が家のように、親と同居しつつ完全分離までは求めない場合です。
一方で、宅配が多い、重い買い物が多い、階段移動を極力減らしたい、大型家具家電の搬入をシンプルにしたいなら、2階LDKの面倒さはかなり具体的に想像しておいた方がいいです。
「2階は明るい」「視線が気にならない」だけで決めるより、玄関から冷蔵庫まで米10kgを持って歩くルートを想像した方が、僕は役に立つと思います。
家づくりは写真より米が重いです。
まとめ
3階建て・2階LDK・二世帯住宅で暮らしてみて、我が家ではこの構成をかなり気に入っています。
特に1階の母と3階の僕ら夫婦の間に、2階の共用LDKがあること。
これは想像以上に二世帯の距離感を作ってくれました。
一方で、宅配、買い物、ゴミ出しには階段が付いてきます。
冷蔵庫は階段から入らず、クレーン搬入になりました。
吹抜けから冷房の風は落ちます。
そして二世帯として設備を分けたのに、暮らしてみたら母も2階LDKを使い、かなり普通の同居になりました。
図面で分けた家族は、生活するとまた混ざります。
だからこの家を「成功」「失敗」で一言にする気はありません。
二世帯なら、またこの形に近くする。
単世帯なら、1階LDKにする。
それが、住んだ後に出た僕の答えです。
